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なんかいろいろ。
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 たとえ睡眠時間を削っても、人間らしく生きるためには同人活動が欠かせないのです。

 凡用人型兵器です。

 人間らしくは生きていませんね。
 というわけで正確には、駄目人間らしく生きるために同人活動をしています。 
 クビになったらそんときゃそんときだ!
 いやクビにならない程度にやりたいです。

  『ベティ・ザ・キッド(上)』/秋田禎信 を読みました。
 秋田禎信と言えば、かつて『魔術師オーフェン』で一世を風靡し、中高生くらいの僕に多大な影響を与えた小説家さんです。
 まあ皆さんにはどうでもいいでしょうが、僕の書く文章というか文体はオーフェンの影響を受けていると自分では勝手に思っておりまして、どの辺がと言われても困るんですが、地の文に一人称と三人称が入り混じるあたり? まあとにかく、そういった意味では心の師匠の一人と言っても良いでしょう。あとは小崎さんとか。

 さて、僕がなんらかのフィクションに入れ込む場合、高確率で「作品の『世界観』を感じられる」、という条件があります。
 世界観、というとなんだか陳腐というか、こうノートに書いた自作ファンタジー世界の年表とか男だけの街ハザンとかみたいな感じで嫌なんですけども、実際ファンタジー世界にどれだけ没入できるかは、その世界がどれだけ魅力的なのかにかかっているといってもいいのではないでしょうか(少なくとも僕はそう思っています)。

 スーファミ時代の名作RPGにロマンシングサ・ガ3というゲームがありまして、もちろんRPG部分も名作だったのですが、僕が一番好きだったのはゲーム内のミニゲーム「トレード」でした。
 その内容はというと、ミニゲームというにはかなりボリュームがあり、ゲーム内の町々を巡って、その町に存在する様々な企業を現在で言う敵対的買収によって傘下に加え、自分の企業を大きくしてゆく、というものでした。
 企業の内容もバラエティに富んでおり、例えば大都市では造船会社のような大資本の企業があったり、ぱっとしねえ町ではなんだかぱっとしねえ企業しかなかったり、南国や砂漠の町では風変わりな産業があったりして、なかなかに面白い。
 例えば北国の小さな町(「私が町長です」)に不釣合いに高資本の鉱山があったりすると、この町の男は皆この鉱山で働いているんだろうなあとか、この町は農業/工業/貿易業で栄えているんだなあとか、色々なことを考えられるわけですね。そうすると、ただ通り過ぎるだけの場所で個性も何もあったものじゃない「RPGの町」や「ワールドマップ」が、歴史や文化とそこに生きる人々の存在感を持った「世界」であるように感じられ、俄然ゲームへの没入度が高くなると、そういうわけです。

 それと同様に、特にライトノベルの世界における「剣と魔法の世界」の世界なんてものはいい加減なもんで、王様とか貴族とか騎士とか出すのはいいんですが、統治の仕組みや法律、人々の暮らしや文化習俗、貴族って普段なにやってんのとか貴族と騎士って何が違うのとかは「ファンタジー的お約束」というやつで適当に流すものです。
 『狼と香辛料』のように、経済を主眼においた小説なんかは例外ですが、基本大体そうです。RPGツクールとかで作られるフリーRPGなんかも大体そうです。作者にとって、いちいちそんなものを考えるのが面倒くさいのか、あるいはファンタジー世界にそういうものが存在するという概念がそもそもないのかもしれません。
 ティーン向けの話なんだからそんなもん適当でいいんだよとおっしゃる向きもあるかもしれませんが、少なくともティーンであった当時の僕はロマサガ3やオーフェンの世界にリアルさを感じ、没入したのです。
 多分作者さんの趣味だと思うのですが、オーフェン世界には非常に細かい設定が張り巡らされており、世界の歴史はもちろんのこと、舞台となる町々について、それぞれの成り立ちや文化、産業や周辺の環境といったことが作中にてそれとなく触れられているわけです。他にも、「大陸で使われている紙幣は塩本位制であるため内陸部と沿岸部で価値が異なるので、商取引には金貨が好まれる」とか「王都のある大陸東部と西部は実質的に分断されているため西部の都市は独立の気風が強い」とか、あるいは大陸規模の組織間の微妙な対立とか、そういう「世界のいっぱしを感じられる事柄」が凄く好きでした。
 それは例えば、異文化に触れる喜びや、歴史上の人物のちょっとしたエピソードを読んだときの面白さであるとか、そういったものに近かったかもしれません。あるいは、「その展開はどうしてそうなったのか?」という事柄にきちんとしたバックボーンを示せるというのが、昔から気分とその場のノリで物事を決めていた僕にとって新鮮だったのかもしれません。

 念のために言っておくと、ただ細かければいいというわけではなくてですね、例えばバルスのファルシのルシがコクーンでパージとか、そういうのはまあ頑張ってくださいねって感じで、要はその世界についての説明の仕方だと思うんですが、仮に僕がその世界に住んでいたとしたら、この町は肌に合いそうだなとか、こんな仕事をしていそうだなとかというのを想像したくなるようなーというかですね、分かりますかこの説明。
 分かりにくかったら二次創作をしたくなるかどうかっていう理解でいいです。
 なんちゅうか、自分が一つの物事にどっぷりとつかる性質なもので、その世界観がどれだけ魅力的なのかっていうのは、話の筋とか、文章の上手さとか、そういうのより僕の中では上に来るのですね。それに、世界を魅力的に描ける人っていうのは大体話やキャラを作るのも上手いんだよ。多分。
 東方なんかも割とそんな感じで、魅力的な点は多々あれど、ここまでハマった一番の理由は、幻想郷と弾幕ごっこという世界観でした。ZUNさんもシューティングにおける「弾幕」に正当性と意味とキャラ付けを持たせたくてあの世界観を作ったという「世界観先行」発言をしてましたし、あながち間違った観点でもないと思うんですが。

 で、ようやく『ベティ・ザ・キッド』の話に入るわけですが。
 なんかこう、男装の主人公がおっぱいの成長を気にするシーンとか褐色ロリが全裸で宙吊りになるシーンとかあったんですが、全然えろくありませんでした。
 それよりも相変わらず人がポンポン死ぬわ差別がリアルで笑えないわ主人公が弱すぎて心配になるわと見所満載。
 作者本人もあとがきで言っていたのですが、「信じる」ということがとても前面に押し出されているストーリーで、主要な登場人物は皆、なにかを強く信じてします。それが報いられたとき、あるいは裏切られたとき、どうなるのか……それは下巻のお楽しみ、というヤツなのでしょう。
 先史文明の遺産とか謎の部族とか先住民族言語とかトーテムとかいう単語に反応する人にはオススメ。とりあえず銃が出てきますがアクション小説ではないと思います。

 いい話を読むと自分でも書きたくなるので、けして原稿をサボっているわけではないと主張したいです。
 あ、紅楼夢の原稿は今週末くらいに委託が始まるんじゃないでしょうか。そんな感じで。
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