なんかいろいろ。
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で、↓の記事で言った「通販した本」こと
穂積名堂さんの合同SS同人誌「彩雨草子」ですが、
ようやくというか読み終わりまして、まあ大いに満足したわけですが、
ふといつぞや参加させていただいた同人誌、あれの感想が
Webのあちこちに上げられていたのがすげー嬉しかったことを思い出しまして、
じゃあ僕も一つやってみようかと思ってやり始めたら地獄を見ました。
だって12も話あるんだもんよ。
大体僕は読書感想文というやつが昔から大の苦手だったんだ。
誰だよ感想書こうなんて思いついたのは! まったくもう!
というわけで全部の話の感想を書いてみました。
こんなとこに投稿しても作家さんたちに伝わるのかどうか不安ですが、
公式サイトに掲示板もないし、
まあ伝わるんじゃないかなと希望的観測を込めてここに上げます。
以下、読んでない方のネタバレ回避のため追記にて。
そんなに致命的なことは(あんまり)書いてないつもりですが。
穂積名堂さんの合同SS同人誌「彩雨草子」ですが、
ようやくというか読み終わりまして、まあ大いに満足したわけですが、
ふといつぞや参加させていただいた同人誌、あれの感想が
Webのあちこちに上げられていたのがすげー嬉しかったことを思い出しまして、
じゃあ僕も一つやってみようかと思ってやり始めたら地獄を見ました。
だって12も話あるんだもんよ。
大体僕は読書感想文というやつが昔から大の苦手だったんだ。
誰だよ感想書こうなんて思いついたのは! まったくもう!
というわけで全部の話の感想を書いてみました。
こんなとこに投稿しても作家さんたちに伝わるのかどうか不安ですが、
公式サイトに掲示板もないし、
まあ伝わるんじゃないかなと希望的観測を込めてここに上げます。
以下、読んでない方のネタバレ回避のため追記にて。
そんなに致命的なことは(あんまり)書いてないつもりですが。
『キノコ向きの天気』作:うにかたさん 絵:くまさん
◆あらすじ
このところ雨続きで洗濯物が乾かないということで、天候操作の魔法を使い晴れ続きにしたパチュリー。
しかし今度は日照り続きに悩む霊夢が訪れ、雨を降らせば今度は曇りにしろと魔理沙が訪れ――
◆感想
パチュリーが認知症に!?
パチュリーと健忘、というもっとも縁遠そうなフレーズを見事に融合させた怪作。
登場人物の自分勝手にも程がある要求と、速攻で全部忘れてしまうパチュリーによるコメディぶりはただ爆笑の一言。
しかし実際天候を操作できるとなるとこんな要求が寄せられることもありそうです。
みんながパチュリーに勝手な要求を――というだけでもコメディとしては成立すると思いますが、そこに「物忘れ」という要素を加えることで、より面白さが増しています。
このアイデアを思いついた時点でうにかたさんのアイデア勝ちと言えるでしょう。
そういえばドラえもんにもこんな話があったような気がするなあ。
『Silver clock, Rainbow bridge』作:世界爺さん 絵:SHOさん
◆あらすじ
紅魔館の時計塔が不調であると知った咲夜は、単身原因の調査に赴く。
しかし彼女が時計塔に進入した途端、謎の黒い染みのような存在が襲い掛かり――
◆感想
咲夜さんは可愛いなあ。
彼女の過去については、なんか凄い細かい設定があるらしいのですが、全然公開されてない現状としては色々と想像するしかないわけで、その中でも一際目を引く「血の懐中時計」。
「過去の孤独」(と現在の連帯)というキーワードで両者をくくったことで、咲夜のレミリア/紅魔館に対する想いが読み手に上手く伝わってきていると思います。
惜しむらくは、本全体のテーマである「雨」が余り話に関わってこなかった点でしょうか。
『あした天気にしておくれ』作:豆蔵さん 絵:うがつまつきさん
◆あらすじ
長い年月が過ぎ、多くの人物が死に、それでもただ「巫女」として存在し続ける霊夢。
そんなある日、久しぶりに神社へとレミリアが訪れる。
◆感想
「雨をやませるだけの存在」であるてるてる坊主と、
「巫女として生きるだけの存在」である霊夢の対比が上手い。
永夜抄以降、超然とした霊夢像が広まっているように思いますが、そんな霊夢を描いた諸作品群の中でも出色の出来ではないだろうかと思いました。
天命という言葉を使うことで、無理なく説得力を持たせているのも上手いです。
かといってただ孤高を保っているわけではなく、ちゃんと周囲(今回の場合はレミリア)の存在を大切に思っている描写を入れるのも心憎い。
『Le monde de Voiles.』作:低速回線さん 絵:ニュー速回線さん
◆あらすじ
「水の中で魔法を使うとどうなるのか?」と、無理やり魔理沙に湖畔へ連れ出されるパチュリー。
手違いで湖丸ごと霧雨にしてしまったパチュリーが自問する、「人間」への想い。
◆感想
霧雨だけにしっとりとしたお話です。
パチュリーの魔理沙への感情はそれこそ二次創作者によってまちまちで、本気でウザがっているものからラブラブなものまであるわけですが、人間という存在そのものへの憧憬もひっくるめて魔理沙を捉えているというのが、全編に渡ってじっとりとした地の文と相まって実にパチュリー「らしい」と思いました。
湿っぽい感じが素敵。
それはそうと泳げない魔理沙が可愛いです。
『流星多けりゃ日照りが続く』作:新角さん 絵:陛下さん
◆あらすじ
長続きする日照りに不満を漏らす輝夜。
文、チルノ、妹紅の三人を使って雨を降らすという永琳の作戦とは。
◆感想
これは理科の勉強に使えそうですね。
と言えそうなくらい理系な(?)解決法。
豪快な手段や派手さという点では申し分ないものの、オチにもう一ひねりほしかったなというのが残念なところ。
状況説明だけで終わってしまっているので……
『Catch me if you can』作:おやつさん 絵:Katzehさん
◆あらすじ
人里にちょっかいを出した挙句追いかけられることになったルーミア、チルノ、橙。
三人が迷い込んだのは花畑、その主との命がけの鬼ごっこ。
◆感想
そうか、この三人だとチルノが突っ込み役になるのか。
三人組の役割分担が良くできており、危機をどう切り抜けるのかというスリルとスピード感に溢れる良作アクション。
アホさの中に光るカリスマの片鱗を見せるルーミアが個人的にお気に入りです。
また、Katzehさんの緻密な挿絵により、ゆうかりんの脅威とカリスマを存分に堪能できる作品。
でもちょっとチルノ頭良すぎじゃね? あと雨がなかったような……
『雨の日に傘はいらない』作:藤村流さん 絵:KOTOさん
◆あらすじ
梅雨のある日、学校の帰り道でみつけた結界。
街中に潜む歪みの謎に、秘封倶楽部の二人が挑む。
◆感想
愛多き人藤村さんの、やっぱりと言うか秘封話。
もはや伝統芸の域に達していると言っても過言ではない蓮子×メリーっぷりは見事と言うほかないように思います。
彼女に振り回され、口では鬱陶しそうにしながらも、いざとなれば私ひとりではここが限界だと言い、ピンチに陥ったら助けに来てくれると思っているメリーですが、ひょっとしてこれをツンデレと言うのでしょうか。
なんだかんだでメリーはやっぱり蓮子を頼りにしているということになるのでしょうね。
しかし、ご主人様と奴隷の関係というのは、実はご主人様のほうがより奴隷に依存しているという話もあるように、蓮子×メリーと言いつつも、実は蓮子のほうがよりメリーを必要としているのではないかと、僕には思えてなりません。
サークル活動という点だけではなく、なんというかもっと深いところで。
つまり、表層は蓮子×メリーですが、より深層においてはメリー×蓮子なのではないか、あるいはいざアレなことになればむしろメリーが攻めなのではないか、
というのが僕の仮説でして、皆様のご意見募集しております。
何の話をしているんだ僕は。
あ、SSの内容ですか? 蓮子とメリーがいちゃいちゃする話です。
『Red Girl Adventure』作:近藤さん 絵:田嶋有紀さん
◆あらすじ
図書館を掃除中、時の止まった世界でページが勝手にめくれる本を発見した咲夜。
少しずつ続きが書かれていくその本の内容は、咲夜に模された少女の死――
◆感想
咲夜さんは可愛いなあ。
タイトルだけ見て某小悪魔RPGみたいな話かと思ったら方向性が違う違う。
こういう「わけもわからず生命の危機に襲われる」というシチュエーションは僕好みで、まあ咲夜さんだから大丈夫だろうと思いつつもちょっとドキドキしながら読めました。
まあ犯人と言うか本の正体は割とすぐに分かるわけですが、本当に小悪魔は作家の数だけいて面白い。あんなの書いた僕が言うのもなんですが。
さて、咲夜がずっと聞いていた「雨音」というのは、一体なんだったのか。
『オーバー・ザ・レイン暮雨』作:セノオさん 絵:ハルカさん
◆あらすじ
ある雨の日のプリズムリバー邸。
三姉妹がそれぞれの行動をとる中、ふと思い出される四女の記憶。
◆感想
この本を読んでいて思うのですが、大体雨の話を書くときというのは激しい話かしっとりとした話のどちらかになるような気がします。
この話は後者ですが、それは雨の日というのは暇な分、普段考えないようなことに思いが及ぶからなのかもしれません。
こういったある種沈鬱な雰囲気とルナサの相性が抜群で、作品全体の雰囲気を非常に確固としたものにしていると思いました。
つかこのルナサお姉さんをお嫁さんにほしいです。
締めの一文も、しっかりと決まっていて素晴らしい。
『甘雨』作:Hodumiさん 絵:猫の手さん
◆あらすじ
香霖堂へ買い物に訪れた慧音は、帰り道で雨の中寝転がる小鬼に出会う。
心地よいと言う鬼に乗せられ、慧音は甘雨を全身に浴びる。
◆感想
ふと雨を浴びたくなる日というのは確かにあるわけだけれども、「甘雨」という表現でその心地よさを表しているのが素敵です。
雨を浴びる慧音の描写がまた素敵で、部屋で本読んでる僕も一緒にそこにいるような、そんな一体感をおぼえました。
そうだよ僕はこういう話を書きたいんだよ。今分かったよ。
向いてませんがね。
『Flowering flowering flowering』作:河瀬圭さん 絵:猫描さん
◆あらすじ
様子を見に来た閻魔との弾幕ごっこに敗れ、雨の中横たわる咲夜。
無理だと分かっていつつもレミリアを待つ彼女の心中に飛来する想いとは。
◆感想
咲夜さんは(略)
完全で瀟洒といえば咲夜さんですが、あくまで個人的な意見として言わせて貰うと、鉛筆をナイフで削り続けた結果としての先端の鋭さ、のようなものを感じます。
割と折れるときはぽっきりと折れそうで、結構危ういラインで立ってるみたいな。
まあ完全に僕の妄想なわけですが、もし彼女が瀟洒でなくなったら?
という一種の思考実験をこの作品から感じます。妄想ですが。
いつも冷静な人が必死になる姿って燃えますよね。
『花鳥風月〜rainy days〜』作:床間たろひさん 絵:うりうりさん
◆あらすじ
幻想郷に雨が降る。
少女達がそれぞれのスタイルで雨を受け止める中、博麗神社では――
◆感想
うん、これは最初か最後に持ってくるしかないわ。
雨に対するそれぞれの反応が実に彼女たちらしく、とても素敵なんですが、誰も来なくてちょっと泣きそうな霊夢が可愛いなあとか思ってしまう自分が少し嫌です。
『あした天気にしておくれ』では超然とした姿を見せてくれた霊夢ですが、どっちが正しいのかと言われると、どっちもアリなんじゃないかなあと、そう思わせてくれる東方の懐の深さ、そしてそれに説得力を持たせる作家さんの筆力には頭が下がるばかりです。
霊夢を別にすると、個人的には不器用な慧音さんのシーンが好きです。
それにしてもほんと素敵だなー。誰かFlashとかでムービーにしてくれないかなー。
★本全体の感想
感想を一言で言うと、何回も上で使っていますが、「素敵」。
まず、雨という一つのテーマを作ったことで、本全体に統一感が生まれ、それでいて各作家さんごとの個性が現れているのが非常によかったです。
内容も文・絵ともにとてもクオリティの高いものばかりで、量も多いし、非常に「楽しめた感」の高い一冊でした。
全絵師さんのカラーイラストを見ることができたのも嬉しいです。
一方不満点としては、まず、SSの登場人物に偏りがある点です。
12本ある話のうち、紅魔組の主役が6本と、これはちょっと多いのではないか、と。
紅魔館ってすごい話作りやすいんですよね。それは僕も分かるんですが、もうちょっといろんなところの話を見たかったなあ、というのが正直なところです。
もう一つ、これは僕のわがままですが、イラストを、もう一枚ずつくらいほしかったです。
せっかく素晴らしい絵師さんがいらっしゃるわけですから、もう少し見たいなーなんて。
いやま、完全に僕のわがままですが。
あと、表紙カバー裏に何の仕掛けもないのはどういうことか! これは声を大にして抗議したい!
まあ最後はほとんどいちゃもんですが、全体としての完成度がとても高いので、あえて細かいところをぐちぐちと言ったわけでして。
もし、ここを読んで、かつこの本を入手されていない方がいたら、とてもいい本ですので、是非読んでみてください。お勧め。
最後に、各作家さんに、いい本をありがとうございましたとお礼を言うことで、このうだうだと書き散らした感想文の締めに代えさせていただきます。
乱文失礼しました。
あーもう感想文なんて絶対やりたくねー。
ねみー。
◆あらすじ
このところ雨続きで洗濯物が乾かないということで、天候操作の魔法を使い晴れ続きにしたパチュリー。
しかし今度は日照り続きに悩む霊夢が訪れ、雨を降らせば今度は曇りにしろと魔理沙が訪れ――
◆感想
パチュリーが認知症に!?
パチュリーと健忘、というもっとも縁遠そうなフレーズを見事に融合させた怪作。
登場人物の自分勝手にも程がある要求と、速攻で全部忘れてしまうパチュリーによるコメディぶりはただ爆笑の一言。
しかし実際天候を操作できるとなるとこんな要求が寄せられることもありそうです。
みんながパチュリーに勝手な要求を――というだけでもコメディとしては成立すると思いますが、そこに「物忘れ」という要素を加えることで、より面白さが増しています。
このアイデアを思いついた時点でうにかたさんのアイデア勝ちと言えるでしょう。
そういえばドラえもんにもこんな話があったような気がするなあ。
『Silver clock, Rainbow bridge』作:世界爺さん 絵:SHOさん
◆あらすじ
紅魔館の時計塔が不調であると知った咲夜は、単身原因の調査に赴く。
しかし彼女が時計塔に進入した途端、謎の黒い染みのような存在が襲い掛かり――
◆感想
咲夜さんは可愛いなあ。
彼女の過去については、なんか凄い細かい設定があるらしいのですが、全然公開されてない現状としては色々と想像するしかないわけで、その中でも一際目を引く「血の懐中時計」。
「過去の孤独」(と現在の連帯)というキーワードで両者をくくったことで、咲夜のレミリア/紅魔館に対する想いが読み手に上手く伝わってきていると思います。
惜しむらくは、本全体のテーマである「雨」が余り話に関わってこなかった点でしょうか。
『あした天気にしておくれ』作:豆蔵さん 絵:うがつまつきさん
◆あらすじ
長い年月が過ぎ、多くの人物が死に、それでもただ「巫女」として存在し続ける霊夢。
そんなある日、久しぶりに神社へとレミリアが訪れる。
◆感想
「雨をやませるだけの存在」であるてるてる坊主と、
「巫女として生きるだけの存在」である霊夢の対比が上手い。
永夜抄以降、超然とした霊夢像が広まっているように思いますが、そんな霊夢を描いた諸作品群の中でも出色の出来ではないだろうかと思いました。
天命という言葉を使うことで、無理なく説得力を持たせているのも上手いです。
かといってただ孤高を保っているわけではなく、ちゃんと周囲(今回の場合はレミリア)の存在を大切に思っている描写を入れるのも心憎い。
『Le monde de Voiles.』作:低速回線さん 絵:ニュー速回線さん
◆あらすじ
「水の中で魔法を使うとどうなるのか?」と、無理やり魔理沙に湖畔へ連れ出されるパチュリー。
手違いで湖丸ごと霧雨にしてしまったパチュリーが自問する、「人間」への想い。
◆感想
霧雨だけにしっとりとしたお話です。
パチュリーの魔理沙への感情はそれこそ二次創作者によってまちまちで、本気でウザがっているものからラブラブなものまであるわけですが、人間という存在そのものへの憧憬もひっくるめて魔理沙を捉えているというのが、全編に渡ってじっとりとした地の文と相まって実にパチュリー「らしい」と思いました。
湿っぽい感じが素敵。
それはそうと泳げない魔理沙が可愛いです。
『流星多けりゃ日照りが続く』作:新角さん 絵:陛下さん
◆あらすじ
長続きする日照りに不満を漏らす輝夜。
文、チルノ、妹紅の三人を使って雨を降らすという永琳の作戦とは。
◆感想
これは理科の勉強に使えそうですね。
と言えそうなくらい理系な(?)解決法。
豪快な手段や派手さという点では申し分ないものの、オチにもう一ひねりほしかったなというのが残念なところ。
状況説明だけで終わってしまっているので……
『Catch me if you can』作:おやつさん 絵:Katzehさん
◆あらすじ
人里にちょっかいを出した挙句追いかけられることになったルーミア、チルノ、橙。
三人が迷い込んだのは花畑、その主との命がけの鬼ごっこ。
◆感想
そうか、この三人だとチルノが突っ込み役になるのか。
三人組の役割分担が良くできており、危機をどう切り抜けるのかというスリルとスピード感に溢れる良作アクション。
アホさの中に光るカリスマの片鱗を見せるルーミアが個人的にお気に入りです。
また、Katzehさんの緻密な挿絵により、ゆうかりんの脅威とカリスマを存分に堪能できる作品。
でもちょっとチルノ頭良すぎじゃね? あと雨がなかったような……
『雨の日に傘はいらない』作:藤村流さん 絵:KOTOさん
◆あらすじ
梅雨のある日、学校の帰り道でみつけた結界。
街中に潜む歪みの謎に、秘封倶楽部の二人が挑む。
◆感想
愛多き人藤村さんの、やっぱりと言うか秘封話。
もはや伝統芸の域に達していると言っても過言ではない蓮子×メリーっぷりは見事と言うほかないように思います。
彼女に振り回され、口では鬱陶しそうにしながらも、いざとなれば私ひとりではここが限界だと言い、ピンチに陥ったら助けに来てくれると思っているメリーですが、ひょっとしてこれをツンデレと言うのでしょうか。
なんだかんだでメリーはやっぱり蓮子を頼りにしているということになるのでしょうね。
しかし、ご主人様と奴隷の関係というのは、実はご主人様のほうがより奴隷に依存しているという話もあるように、蓮子×メリーと言いつつも、実は蓮子のほうがよりメリーを必要としているのではないかと、僕には思えてなりません。
サークル活動という点だけではなく、なんというかもっと深いところで。
つまり、表層は蓮子×メリーですが、より深層においてはメリー×蓮子なのではないか、あるいはいざアレなことになればむしろメリーが攻めなのではないか、
というのが僕の仮説でして、皆様のご意見募集しております。
何の話をしているんだ僕は。
あ、SSの内容ですか? 蓮子とメリーがいちゃいちゃする話です。
『Red Girl Adventure』作:近藤さん 絵:田嶋有紀さん
◆あらすじ
図書館を掃除中、時の止まった世界でページが勝手にめくれる本を発見した咲夜。
少しずつ続きが書かれていくその本の内容は、咲夜に模された少女の死――
◆感想
咲夜さんは可愛いなあ。
タイトルだけ見て某小悪魔RPGみたいな話かと思ったら方向性が違う違う。
こういう「わけもわからず生命の危機に襲われる」というシチュエーションは僕好みで、まあ咲夜さんだから大丈夫だろうと思いつつもちょっとドキドキしながら読めました。
まあ犯人と言うか本の正体は割とすぐに分かるわけですが、本当に小悪魔は作家の数だけいて面白い。あんなの書いた僕が言うのもなんですが。
さて、咲夜がずっと聞いていた「雨音」というのは、一体なんだったのか。
『オーバー・ザ・レイン暮雨』作:セノオさん 絵:ハルカさん
◆あらすじ
ある雨の日のプリズムリバー邸。
三姉妹がそれぞれの行動をとる中、ふと思い出される四女の記憶。
◆感想
この本を読んでいて思うのですが、大体雨の話を書くときというのは激しい話かしっとりとした話のどちらかになるような気がします。
この話は後者ですが、それは雨の日というのは暇な分、普段考えないようなことに思いが及ぶからなのかもしれません。
こういったある種沈鬱な雰囲気とルナサの相性が抜群で、作品全体の雰囲気を非常に確固としたものにしていると思いました。
つかこのルナサお姉さんをお嫁さんにほしいです。
締めの一文も、しっかりと決まっていて素晴らしい。
『甘雨』作:Hodumiさん 絵:猫の手さん
◆あらすじ
香霖堂へ買い物に訪れた慧音は、帰り道で雨の中寝転がる小鬼に出会う。
心地よいと言う鬼に乗せられ、慧音は甘雨を全身に浴びる。
◆感想
ふと雨を浴びたくなる日というのは確かにあるわけだけれども、「甘雨」という表現でその心地よさを表しているのが素敵です。
雨を浴びる慧音の描写がまた素敵で、部屋で本読んでる僕も一緒にそこにいるような、そんな一体感をおぼえました。
そうだよ僕はこういう話を書きたいんだよ。今分かったよ。
向いてませんがね。
『Flowering flowering flowering』作:河瀬圭さん 絵:猫描さん
◆あらすじ
様子を見に来た閻魔との弾幕ごっこに敗れ、雨の中横たわる咲夜。
無理だと分かっていつつもレミリアを待つ彼女の心中に飛来する想いとは。
◆感想
咲夜さんは(略)
完全で瀟洒といえば咲夜さんですが、あくまで個人的な意見として言わせて貰うと、鉛筆をナイフで削り続けた結果としての先端の鋭さ、のようなものを感じます。
割と折れるときはぽっきりと折れそうで、結構危ういラインで立ってるみたいな。
まあ完全に僕の妄想なわけですが、もし彼女が瀟洒でなくなったら?
という一種の思考実験をこの作品から感じます。妄想ですが。
いつも冷静な人が必死になる姿って燃えますよね。
『花鳥風月〜rainy days〜』作:床間たろひさん 絵:うりうりさん
◆あらすじ
幻想郷に雨が降る。
少女達がそれぞれのスタイルで雨を受け止める中、博麗神社では――
◆感想
うん、これは最初か最後に持ってくるしかないわ。
雨に対するそれぞれの反応が実に彼女たちらしく、とても素敵なんですが、誰も来なくてちょっと泣きそうな霊夢が可愛いなあとか思ってしまう自分が少し嫌です。
『あした天気にしておくれ』では超然とした姿を見せてくれた霊夢ですが、どっちが正しいのかと言われると、どっちもアリなんじゃないかなあと、そう思わせてくれる東方の懐の深さ、そしてそれに説得力を持たせる作家さんの筆力には頭が下がるばかりです。
霊夢を別にすると、個人的には不器用な慧音さんのシーンが好きです。
それにしてもほんと素敵だなー。誰かFlashとかでムービーにしてくれないかなー。
★本全体の感想
感想を一言で言うと、何回も上で使っていますが、「素敵」。
まず、雨という一つのテーマを作ったことで、本全体に統一感が生まれ、それでいて各作家さんごとの個性が現れているのが非常によかったです。
内容も文・絵ともにとてもクオリティの高いものばかりで、量も多いし、非常に「楽しめた感」の高い一冊でした。
全絵師さんのカラーイラストを見ることができたのも嬉しいです。
一方不満点としては、まず、SSの登場人物に偏りがある点です。
12本ある話のうち、紅魔組の主役が6本と、これはちょっと多いのではないか、と。
紅魔館ってすごい話作りやすいんですよね。それは僕も分かるんですが、もうちょっといろんなところの話を見たかったなあ、というのが正直なところです。
もう一つ、これは僕のわがままですが、イラストを、もう一枚ずつくらいほしかったです。
せっかく素晴らしい絵師さんがいらっしゃるわけですから、もう少し見たいなーなんて。
いやま、完全に僕のわがままですが。
あと、表紙カバー裏に何の仕掛けもないのはどういうことか! これは声を大にして抗議したい!
まあ最後はほとんどいちゃもんですが、全体としての完成度がとても高いので、あえて細かいところをぐちぐちと言ったわけでして。
もし、ここを読んで、かつこの本を入手されていない方がいたら、とてもいい本ですので、是非読んでみてください。お勧め。
最後に、各作家さんに、いい本をありがとうございましたとお礼を言うことで、このうだうだと書き散らした感想文の締めに代えさせていただきます。
乱文失礼しました。
あーもう感想文なんて絶対やりたくねー。
ねみー。
PR
この記事にコメントする
無題
感想ありがとうございますー。
私も、十本刀のときに感想の有る無しでやきもきした経験がありましたから、このように感想を頂けるのはありがたいことでございます。いやはや。
それから、私が書くメリーは各人曰くツンデレらしいです。天然の。
いろいろと秘封のあれこれに関して語り合いたいですわー。
改めて、ご感想ありがとうございました。
私も、十本刀のときに感想の有る無しでやきもきした経験がありましたから、このように感想を頂けるのはありがたいことでございます。いやはや。
それから、私が書くメリーは各人曰くツンデレらしいです。天然の。
いろいろと秘封のあれこれに関して語り合いたいですわー。
改めて、ご感想ありがとうございました。
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